メンタル不調の相談が出たとき、人事労務が整理している仕事
体調不良の中でも、
メンタル不調の相談は、人事労務にとって少し扱いが違います。
がんなどの長期療養や、事故によるケガと比べると、
- 回復時期が読みにくい
- 状態が波打ちやすい
- 周囲の受け止め方も揺れやすい
そうした特徴があります。
だからこそ、
メンタル不調者が出たときに
人事労務が何を整理して、何を仕事として扱っているかを
一度整理しておく意味があります。
相談は、きれいな形では来ない
メンタル不調のケースで多いのは、
- 休みがちになっている
- 病院に行った、という報告
- まとめて休みたいと言われている
- 上司が対応に困って相談してくる
といった形です。
本人が
「メンタル不調なので、休職したいです」
と人事に来ることは、あまり多くありません。
人事労務に話が来たときには、
すでに何らかの対応が始まっている状態です。
人事労務がまず整理するのは「制度と手続き」
この段階で、人事労務が最初に整理しているのは、
気持ちの話ではありません。
- 今は欠勤、有休、どの扱いになっているか
- 診断書は出ているか
- 傷病手当金の対象になりそうか
- 給与は支給ありか、なしか
- 社会保険料・住民税はどう扱うか
ここを整理しないと、
本人への説明も、社内調整もできません。
メンタル不調だからこそ、
実務は淡々と、制度に沿って整理します。
就業規則は「最初に確認するもの」
メンタル不調が長引きそうだと見えた段階で、
就業規則の確認は必須です。
- 休職の要件はどう定められているか
- 休職期間の上限はあるか
- 休職中の給与や保険の扱いはどうなっているか
就業規則は、
後から持ち出す“盾”ではありません。
会社として、どこまで制度対応できるのかを確認するための前提資料です。
確認したうえで、
- 想定されていないケースはどう扱うか
- 今回はどの運用で進めるか
- 将来的に制度を見直す必要があるか
こうした方向整理につながっていきます。
メンタル不調は「産業医・体制」と切り離せない
メンタル不調者対応では、
- 産業医との連携
- 面談の実施
- 復職判断のプロセス
こうした体制面も重要になります。
近年は、
ストレスチェック制度の実施や、
高ストレス者への対応も含めて、
個人対応だけでなく、会社の体制づくりが人事労務の役割になっています。
「制度はあるけど、どう使っているか分からない」
という状態も、このタイミングで見直されがちです。
配慮と実務は、切り分けて考える
メンタル不調者への配慮や声かけは、とても大切です。
ただし、人事労務が担っているのは、
それとは別の役割です。
- どの制度を使うか
- どういう手続きをするか
- 誰がどこまで判断するか
感情を否定しないためにも、
実務は感情と切り分けて整理する必要があります。
センシティブな情報だからこそ、扱いは慎重に
メンタル不調に関する情報は、
特に取り扱いに注意が必要です。
- 必要以上に共有しない
- 記録は事実ベース
- 判断経緯が追える形に残す
ここが曖昧になると、
後からトラブルにつながりやすくなります。
まとめ
メンタル不調者が出たとき、
人事労務がやっているのは、
- 気持ちを判断することではなく
- 会社としてどう扱うかを、制度と手続きで整理すること
5月の後半は、
そうした相談が増えやすい時期でもあります。
感情に寄りすぎず、
でも制度で突き放さず。
実務としての整理が、
結果的に本人と会社の両方を守ります。
6月2日(火)「うちは10名以下だから、就業規則は関係ない」と言い切られた話」
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